日本の交通を研究する会【記事】

youtubeチャンネル「日本の交通を研究する会」の文字起こし版です。

【丹波の快走路】国道372号 全線走破記(亀岡→姫路)後編

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 国道372号の全線走破記。後編では兵庫県側を解説します。

京都府側はこちら↓

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↓動画版↓

【VOICEROID車載】国道372号 亀岡市→姫路市 - YouTube

 

 

丹波篠山市

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 トンネルを超えると兵庫県丹波篠山市です。

 令和元年5月1日を以って篠山市から改名しました。改名の理由は、元々「丹波篠山」として全国にセールスしてたら、隣に"丹波市"が出来てしまい、混同されたり勘違いされたりが多くなったからです。

 丹波篠山市内での372号は「デカンショ街道」という愛称が付けられています。この地方に伝わる唄"デカンショ節"からこの名がつけられたのですが、肝心の"デカンショ"の意味は良く分からないそうです。

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 途中、このような案内標識が現れます。176号のみが表記されていますが、落ち着いて姫路方面へ向かいましょう。すぐに分岐点が現れ、372号の表示が復活します。

 丹波篠山市では途中、篠山城に寄り道しました。

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加東市

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 標準時子午線はが通っているのは明石市だけではありません。ここ、加東市も東経135度の市です。このような立派なモニュメントが建っています。

 …が、よく見ると「西へ150メートル」とか書いてます。

 で、西へ150メートル行くと…

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 この地味過ぎるのが「真のモニュメント」です。察するに、「土地の買収が上手くいかなかったけど立派なモニュメントを建てたい…。せや!少し離れたとこにモニュメント建てて、注釈添えといたろ!」といったやり取りが行われたのでしょう。

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 この木梨交差点では左折しましょう。直進するとただの市道に連れていかれます。私はやらかしました。

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 高岡南交差点を越えると間もなく小野市に入ります。

 しかし、ほんの数百メートル走るとまた加東市に入ります

 そしてまた数百メートル走ると加西市に入ります

 …こんな感じでたった1分で3回も市境を跨ぎます

 

加西市

 加古川の西に広がっているのが加西市です。とは言っても、加東市との市境は加古川より少し西にあります。

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 これは、加古川線粟生駅から加西市北条町を結んでいる"北条鉄道"の踏切です。北条鉄道は、国鉄の経営から切り離された赤字ローカル線を、加西市が出資して運営している、「第三セクター」と呼ばれるタイプの鉄道です。

 ここは道路と線路が「4」の字のように交差しているため、至近距離に踏切が2つある奇妙な光景を見られます。

 

姫路市

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 372号最後の市、姫路市に入りました。しかし、姫路は広大な市域を誇る市。終点はまだもう少し先です。

 姫路市は人口53万の、兵庫県第二の都市です。市街地では、地方の県庁所在地なんか目じゃないほど、道路も人も混雑します。

 しかし、市境近辺ではそんな香りが微塵も感じられません。えらくのどかな田園風景が広がっています。

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 しかしそんなのどかさも10分ほどで終わりです。播但自動車道の高架をくぐると、一気に都会の喧騒に突入します。もっとも、ここまで来れば372号もあと4キロ足らずなのですが…。

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OpenStreetMap

 終点まであと1キロ。ここで372号は大きく入り組みます。たった200メートルで3回も曲がります。しかも周囲は住宅街。国道自体の幅員が狭く、道を間違えてしまうと、もっと狭い路地に連れていかれます。

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 しかしご安心を、国交省(?)によって丁寧な案内がなされていますから、まず間違えません。

 3個目の曲がり角を曲がると、あとはドン付きで国道2号、終点です。あと800メートル、空いてれば1分で付きますが、流石は姫路の繁華街、3分かかってしまいました。

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国道372号、完走!

 

 

 閑静な田園を通る372号は、ほぼ全線に渡ってセンターライン付き片側一車線の道路が続き、幅員も十分に広く、信号も交通量も急勾配急カーブも少ないので、気楽にドライブを楽しみたいときにお勧めの道路です。

 晴れた週末には是非、372ドライブを!